18/JUN/2016 No048 カナダ GP 第7戦

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F1カナダGP決勝 ■フェルナンド・アロンソ 決勝/11位のコメント

「雨に助けて欲しかった」「厳しいレースだった。今日の僕たちには戦えるだけのペースがなかったよ」。「最後の数周で新しいタイヤを装着したらどうかと尋ねたんだ。だけどそれはかなりリスクが高かったと思う。あの時点で僕は11番手にいたから、もし最後に前を行くクルマに何かが起これば1ポイントか2ポイント取れるところにいたからね」「でも、僕はソフトタイヤで50周以上も走りきった。だけど、2回ストップ作戦をとった者たちのほうが僕よりもかなり速かった。僕たちは少し不運だったと思うよ。僕たちが戦える状態になるには、雨かセーフティカーが必要だったね」「最終的に、僕は自分たちの戦略は正しかったと思う。一番短い時間でゴールにたどり着けたはずだからね。ともあれ、次のレースに向けてペースを改善できるよう懸命に取り組んでいくよ」

■ジェンソン・バトン 決勝/リタイア

「うまく燃料をセーブできていたのに・・・」 「僕は無線で致命的な問題を抱えてしまったと伝えていた。そしてバックミラーをのぞいたらたくさんの煙と火花が上がっているのが見えたよ。前兆はなかった。ヘアピンを抜けたところでクルマが壊れてしまったんだ。まだエンジンは回っていたけれど、とにかくスイッチを切ったよ」 「残念だよ。あの時点ではかなり燃料をセーブしているところだったし、毎周DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が使えていたからさらに燃料をセーブすることも可能だったからね。それがレース後半には大きな差となって現れるはずだったんだ」「だけど、こういうこともよく起こるよね? レース後半に向けて燃料をセーブしたのに、そこまで走れなかったよ」10周目に入ったところで11番手を走行していたジェンソン・バトン(マクラーレン・ホンダ)のエンジンから白煙が上がり、バトンはここでリタイアとなってしまいます。

カナダGPその他コメント

▪マクラーレンは、F1カナダGP(12日決勝)に改良型のターボを投入しました。 今回の改良でホンダは2トークン使用したとF1公式サイトが伝えています。新型ターボのデプロイ量は昨年の約2倍になると公表されました?! 「エネルギー回生量を増やしました。昨年はサーキットによっては、レース中にデプロイが切れてしまうような状況に陥ることが何度かあったんですが、今回のアップグレードでほとんどのチームと同じぐらいのレベルにはなったと思っています。この新ターボは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンが駆る2台のMP4-31に搭載された。2人は今シーズンすでに2基のターボを使用しているので、今回の投入でターボはそれぞれ3基目となります。

▪セッション終盤にアタックを行ったマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンはヘアピンでタイヤをロックさせてしまい、惜しくもQ3進出を逃す。しかし、フェルナンド・アロンソは10番手に入り、3戦連続でのQ3進出を確定させた。Q2最後のラップで、僕はバックストレートでスリップストリームを利用することができなかった。フェルナンド(・アロンソ)は利用した。僕のスリップを使ったんだ。最終セクターまではQ3に進むチャンスがありそうだったけど、僕はスリップを使えなくて敗れた。

▪レースはスタート直後に3番手スタートのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が一気にメルセデスAMG勢2台を追い抜いて先頭で最初のコーナーを駆け抜ける。ハミルトンとチームメートのニコ・ロズベルグがここで接触し、2番手からスタートしていたロズベルグは一気に10番手にまで順位を落としてしまう。

▪長谷川総責任者は「(増えた回生エネルギーを)デプロイ側に使うのか、あるいは燃費側に振るのかによって違います」、燃費側に振れば、少なくともレース序盤からドライバーが燃費を気にして走ることはなかったはずだが、ホンダは話し合いの結果、パフォーマンス側に振ってラップタイムを取りに行こうという決断をした。その理由を長谷川総責任者は明言しなかったが、その決断に納得していない様子だった。なぜなら、ドライバーが燃費を気にしてアクセルを戻すようなレースをやらせたくないからである。序盤から厳しいレースが強いられた。それは燃費との戦いだった。ストレートをシケインとヘアピンでつないだレイアウトのモントリオールは、アクセルのオン・オフが激しく、燃費に厳しいサーキットとして知られている。MGU-Hで発生させる回生エネルギーをこれまでよりも長い時間使えるようになっていた。デプロイが増えれば、燃費が良くなるはずである。セカンドスティントでソフトタイヤで53周を走り切らなければならなかったアロンソは、ひたすらタイヤと燃料をセーブしながら走るレースは辛かったと語っている。「燃料をセーブしなければならないと、ペースが2秒落ちる。しかも55周を走ったタイヤだと、走る喜びはほとんどなかった」「レースの途中から、フェルナンドの心は折れそうになっていたと思います」。それでも、チームは無線で「上位に何か起きるかわからないから、最後まであきらめるな」と激励。残り3周でクビアトの約8倍以上の距離を走っているタイヤで抜き返したのである。しかし、それ以上の波乱は起きず、アロンソは11位に終わった。では、なぜ増えた回生エネルギーをパフォーマンス側に振ったのか。それは予選での最高速が最下位だったことと無関係ではない。今回マクラーレンはレースが雨になること、そしてシケインと低速コーナーでの立ち上がりのトラクションを良くするために、高速のモントリオールにしては、かなり重めの空力仕様で臨んでいた。わかりやすく言えば、リアウイングは他チームに比べて立て気味だった。そうなるとストレートスピードが伸びないが、今回はホンダのターボが新しくなったので、その増えたデプロイをパフォーマンス側にすべて使ったのではないだろうか。そして、その結果、ターボが新しくなったにもかかわらず、燃費が予想していたよりも改善されなかったのではないだろうか。 もちろん、燃費の良し悪しはICE自体の燃焼効率も関係している。それは長谷川総責任者もわかっており、「エンジン本体のパフォーマンスを改善しなければならないことが明確になった」と語っている。 

▪「今回の改良によってMGU-H(※)からのエネルギー回生量を増やせるようにしました。サーキットによってはレース中にまだディプロイメントが足りないところがありました。今回の改良で、ほとんどのチームと同じくらいになったと思っています。(1周あたりの)回生量でいえば、昨年に比べて2倍くらいになっていて、これはかなり大きな進歩だと言えます」

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heat/排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

全開区間で120kWのディプロイメントを上乗せすれば、もちろんそれだけ速く走ることができる。しかし、ICE(内燃機関エンジン)で燃料を燃やす代わりにディプロイメント――つまり電気を使って走れば、燃費はセーブできる。限られたディプロイメントを1周のなかでどう使うのがベストなのか、そこには絶妙な計算とさじ加減が必要なのだ。TCを改良し、ディプロイメントが増えたことで、その選択肢も増えた。「MGU-Hで回収した電気を全部パワー側に使えば、ラップタイムを上げることができますし、燃費セーブ側に使えば、燃費が向上するので、そのあたりの選択肢は増えてきます」。レースなのだから、ラップタイムは速いほうがいいに決まっている。 しかし今のF1では、305kmの決勝レースを戦うのに、100kgの燃料しか使用することが許されない。ストレートが長く全開率の高いカナダGPでは、メルセデスAMGでさえ燃費セーブのためにペースを落とさなければならないほどだ。 いくらラップタイムを速くしても、燃料が足りなくなってドライバーがスロットルを戻す”リフト&コースト(※)“を強いられるようでは、結果的に遅くなってしまうこともある。

※リフト&コースト=ドライバーがアクセルをオフにして惰性でクルマを走らせること。

■モナコGPで問題点

スロットル全開率が40%にも満たないモナコでは、パワー不足の影響が出にくい。マシン性能が優れていれば、あとはドライバーの頑張り次第で上位に浮上することもできるのだ。事実、レッドブルは予選でポールポジションを獲り、決勝でもピットストップでミスがなければ優勝していたはずだった。 だから、「車体性能では、メルセデスAMGとレッドブルに次いで3番目」と公言してきたマクラーレン・ホンダのモナコGPに寄せる期待は大きかった。 しかし、木曜日に走り始めてみれば、圧倒的にグリップが不足し、両ドライバーともにマシンのコントロールに手を焼いた。コースサイドで走りを見ていても、ガードレールに囲まれた小さなコーナーをスムーズに切り返していくレッドブルやメルセデスAMGとは違って、マクラーレン・ホンダのマシンはフロントの向きが変わらなかったり、リアが暴れたりと、その差は歴然としていた。「これでもうハッキリしましたよね。フォースインディアはクルマがすごくよいということだと思います。(同じパワーユニットを搭載する)ウイリアムズと比べてもよいということですから、彼らがすごくいい仕事をしているということが今日はっきりしましたよね。トロロッソもフォースインディアも速いですよ。マクラーレンのエンジニアとも話したんですが、彼も『そこは認めざるを得ないね』と言っていました」 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、このモナコでの不発で、マクラーレン側にも変化が見えてきたのを感じ取ったようだ。 車体側の不備はあまり認めたがらないマク