21/FEB/2016 No026 ラス・パラマスVSバルサ 

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リーガエスパニョール第25節  20/FEB/2016  ラス・パラマスVSバルサ 1-2

15年ぶりのグラン・カナリア訪問は、今季から一部に昇格し、現在は降格圏に沈む相手だけに大差での勝利も期待されましたが結果は2-1。ラス・パルマスが会心の試合運びをしてバルセロナを圧迫。ルーチョチームは多くの時間でボールを追いかけることになりました。カナリア諸島は、ほぼ沖縄と同緯度にあり、年中温暖でヨーロッパの人々にとって屈指のリゾートです。また、かっては日本の遠洋漁業の基地が沢山ございました。バルサは7日間でアウェーゲームを3つこなさなければならないハードスケジュール。今回はエル・モリノン遠征から中2日でラス・パルマスへの長時間飛行、落とし穴がありそうな嫌な予感もします。ゲーム内容はラス・パルマスの勝利だったと言えるでしよう。テンポ良くパスを展開する様子はどちらがバルサか?と思うほどでした。後半にはポゼッション率でバルセロナを上回る時間帯もあり、とても18位(20チーム中)のチームとは思えない出来栄えでした。

通常、降格圏に沈チームと3冠王者の対戦は、引いてゴール前を固めるチームと、圧倒的に攻め込むチームという構図になります。ところがラス・パルマスは一週間の休養があり、気合の入った早い動きで、3本のライン感覚をコンパクトに保ち、中盤を制してボールを奪い、幾度となくゴールチャンスを作り、バルサの中盤を潰す戦略で向かってきました。ラス・パルマスの指揮官キケ・セティエンが準備したプランは4-1-4-1を採用、守備時には2列目の4人が連携プレイでバルサのイニエスタとアルダの中盤コンビをつぶしにかかります。前線の3人が生きるためにもこの中盤の存在が決め手になります。中盤にハイプレスを仕掛けてボールを持たせません。 実際、このプランは有効に機能します。この試合のスタッツを見ると、支配率48.3%(ラス・パルマス):51.7%(バルサ)、パス成功数424本:490本と武器であるボール保持率は大きく低下させられました。バルサがそれほどまでにボールをコントロールできなかった理由としては、ゲームメーカーのセルヒオ・ブスケツとジェラール・ピケの不在が考えられます。セルヒオはこのラス・パルマス戦はカード累積で出場停止。ブスケツであれば中盤が機能していないと状況判断すれば、ある程度長い距離のパスで前線の3人に直接ボールを送るなどスタイルを切り替えます。しかし、セルジ・ロベルトはロングパスを1本しか出さず、近場の選手にパスを出すプレーに終始。状況を打開できる存在にはなれず70分に交代します。

そんな展開の中、6分に先制点が生まれます。アンドレス・イニエスタのパスにジョルディ・アルバが抜け出し(足が速い!)、完璧なクロスをGKとDFの間へと供給。そこにルイス・スアレスが走り込み、GKハビ・バラスの飛び出しを物ともせずにゴール天井へとシュートを突き刺します。ゴールを目指して戦うことを惜しまない、この意欲、姿勢がすばらしいです(25得点でリーグ単独首位)。あっさりと決まった先制点。しかし、ここからバルサの苦しみが始まります。セルタ戦、スポルティング戦とリードしたすぐ後に同点に追いつかれているバルサは、このラス・パルマス戦でも9分に、バルセロナ守備陣に囲まれたジョナタン・ビエラがヒールパスで意表を突くと、ウイリアン・ホセが落ち着いてシュートを流し込んで1-1。中盤での争いに敗れたバルサは、エリア周辺でかろうじて相手ボールを弾き返す苦しい展開を強いられることになります。バルサがこれだけボールを追いかけさせられる試合は、そうはお目にかかれません。前半の惜しいチャンスは26分のレオ・メッシのフリーキックにルイス・スアレスのヘディング弾が、僅か数センチずれてポスト横を通過。えぐいシュートは決めるのに、決め易いのは外れてしまう不思議?? 1-2のゴールチャンスは前半のうちに訪れます。ラス・パルマスに押し込まれていた38分にダニ・アルベスからの縦パスを受けたルイス・スアレスが右サイドで粘りゴールライン前へと侵入に成功。切り返しによってDFをかわし、折り返したボールをレオ・メッシがダイレクトシュートを蹴り込むもGKハビ・バラスに弾かれ、そのこぼれ球を最後はネイマールが思い切り蹴り込んでゴールを決めます。ホームチームの選手がエリア内に6-7人いたが失点を防げず、改めてトリデンテ(MSN)の凄が光った瞬間でした。ルイス・エンリケは前半のプレーを修正すべく、ハーフタイムでアルダ・トゥランをベンチへと下げ、イバン・ラキティッチを送り出します。しかしバルサのプレーに安定感が出ません。ラス・パルマスは若干の疲れが出たようで、ライン間隔も広がっては来ていたものの、諦めることなくパスをつないで攻め入り、再三再四ピンチに陥る場面をむかえます。中でも危なかったのは60分。ラス・パルマスの波状攻撃がブラボを襲った場面です。ここではラキティッチが上手くボールを処理できなかったことを利用され、ビエラが強烈なシュート。これをブラボが弾き、こぼれ球をウイリアン・ホセがシュート(サイドネットでゴールならず)。もっと試合をコントロールするため、ルイス・エンリケは70分に、セルジ・ロベルトに代えてベルマーレンをピッチへ送り、これに伴いマスチェラーノが守備的ピボーテへと移動し、セントラルは左利きが二人並ぶ珍しい配置となります。マルク・バルトラはまたも使ってもらえません! ラス・パルマスのキケ・セティエン監督は75分、エル・サールに代えて元バルサBのアラウホを送り出します。このアルゼンチン人FWは試合終盤、バルセロナの大きな脅威となります。77分のコースを狙って僅かに枠を外れたシュート、82分、89分と決定的な同点チャンスを作り出しました。88分にベルマーレンの気合のダイビングクリアもあり、終盤は試合終了の笛を待ち侘びたことでしよう。ラス・パルマスの良いところが目立ったこの試合で、効率的に2点をもぎ取って、無敗記録を32へ、リーガでの連勝を8へと伸ばしました。それがこのカナリア遠征の一番の収穫でした。